「君花、口に付いてる」
「えっ、うそ」
「ほら、じっとしてな」
親指でグイッとわたしの唇を拭う朔ちゃん。
…さすが、女慣れをしていらっしゃる。
恥じらいのひとつも見せません。
「…よし。ったく、相変わらず食い方ヘタクソな」
「え~?」
そうかなあ。もう高校生だし、そのへんはちゃんとしてると思ったのに。
はぁ………。
「………君花」
「……う、ん…え?」
朔ちゃんが呼んだから、朔ちゃんの方をみた。
そしたら朔ちゃんは、じーっとわたしを見つめてて。
「…な、なんですか………」
いつもより近い距離だからこそ、緊張してしまった。



