ビター・オア・ミルキー



「はぁ。分かった、行ってくるよ」

「ありがと~♪」

「…」



さっきと同じ道を歩く。
ほんの少ししか経っていないのに、辺りはもう暗くなっていて。

春が近づいてくるというのになぁ。



朔ちゃんの家に行くまでは2分もかからない。


「朔ちゃあーん…」


玄関は開けっ放し。
この癖は小さい頃から変わらない。

…もう。危ないってば!




廊下は暗いまま。返事もなにもない。

…寝ちゃったんだろうか。


階段を上って朔ちゃんの部屋に近づく。