「…っ龍…ごめんね…っ」



俺の胸で違う男の名前を呟き泣いている心。



正直、俺になら話してもいいと言われた時は嬉しかった。



でも話してるうちに泣き出す心を見ていられなくて店をでて家に向かおうと思った。



だがあいつら、蝶龍がいた。



「紘…」



震えた声で俺の名を呼ぶ彼女。



その言葉をきいて前へと歩き出す俺。



朝倉がやけに挑発的だった。



でも結城が心のフードを掴んだのにはびっくりした。



一瞬焦ったが心は咄嗟にうつむいたから顔は見られていない。



いや、結城は心だとわかっただろう。



俺が構わず前に進むと結城は舌打ちをしていたから。