「はっ?いんのかよ。どんな奴?」
「優しくて馬鹿で時には強引でかっこいい人」
「へぇ…名前は?」
紘になら話してもいいかな…?
紘なら大丈夫な気がする。
「神崎 龍っていう人」
「そいつ今は?」
「前にね命を張ってでもあたしを守るっていってくれたの。でもその馬鹿は本当に命を張って守ってくれた」
「......じゃあいまは…?」
「植物状態だよ。笑っちゃうよね…本当に命を張って守るなんて…っ…」
涙が頬をつたった。
「っ悪い…ききすぎた。泣くなよ。泣くくらいなら話すなよ」
「ごめ…ん。紘ならっ…いいの…かなって…っ」
溢れ出した涙は止まらない。
「わかった…から。泣くなよ。な?あとで泣かしてやるから...。ここはまずいぜ?」
そうだ…ここはお店の中だった。
高校生の女がいきなり泣くからみんな見てくる。


