「悪い、一回バイク止める」



違った。



結城先輩が誘導していたんだ。



あたし達に続いて2台のバイクが止まった。



「蝶龍の総長さんに副総長さんまで女をつれてどこに?」



「え…蝶龍…?」



つい呟いてしまった。



蝶龍って関東で1,2を争う暴走族…



咄嗟に美桜のほうをみてみる



「っ…」



恐怖に顔を歪めていた。



どうしよう…美桜が…



「お前には関係ねぇよ佐伯。」



「そういわずにさ。ねぇ可愛いね?」



美桜の方をみて言った。



美桜が俯いて震えている。



あたしは我慢の限界だった。



バキッ



殴る音が響いた。



「っ…‼︎」



あたしが佐伯を殴った。



みんな目を見開いている。



そんな中あたしは…



「美桜を怖がらせんなよ。」



そう殺気を込めて言った。



「心…」



美桜が抱きついてきた。



「ありが…とう…」



震える声でありがとうと美桜は言った。



「ううん当たり前ことだよ」



あたしは優しくそう言い抱きしめてあげた。



「…っいってぇな…なにすんだよ」



「美桜を怖がらせるあなたが悪い」



「…お前名前は…?」



「一ノ瀬心」



「そうか…俺は佐伯紘だ。また会える日にな」



そう言ってバイクに跨った。



「結城。俺のものにするもらうぜ?」



それだけ結城先輩にいって去って行った。



「…ちっ」



結城先輩は舌打ちをしていた。



最後の言葉の意味がわからなかった。