「由希ちゃーん!由希ちゃーん!!」


朝、洗濯をしていると、玄関の方から大くんの声が。

私は手を止めて、玄関に向かった。




「もう出発ですか?」


玄関に行くと、私と源喜さんと來さん以外の家族が、靴を履いていた。

私はお父さんに話しかけて、靴べらを受け取る。



あれから2ヶ月。

お父さんの怪我も治り、家の修理や片付けも済み、とりあえず落ち着いたわが家。

しばらく家族で出かけてなかったこともあり、今日から2日間、お父さんたちは旅行に出かけるところだ。



「ああ。数日家を空けるが、よろしく頼むよ」

「任せてください!こっちのことは気にしないで、ゆっくりして来てくださいね」

「ありがとう、そうさせてもらうよ。まあ、新婚だから…逆に私たちの方が邪魔だろうしね」


ハハハと、笑うお父さん。




「お、お父さんっ///」


子供たちの前で、そういうのやめてくださいよ…


私は顔を赤くして、お父さんの腕を軽く叩いた。



百合さんと再会してから、お父さんは変わった。

よく笑うになったし、明るくなった。

それに社交的になり、これが本来のお父さんなんだと、私はお父さんのことを更に好きになった。