絶句だ。 なんてことだ。 せっかく弱みを握ったと思ったのに……! ひとしきり笑ったアカツキが、目に浮かんだ涙を拭いながら私を見上げた。 ぎくりと身体がこわばる。 「――で、どうしてほしいって?」 王子の満面の笑みに、背筋がぞっとする。 「あ、う、わ」 声にならない声を出していると、アカツキがぽつりと言った。 「知紗、イチゴミルクが飲みたいんだけど?」 「は、はいぃぃ!」 王子の微笑みに、私は全力で中庭の自動販売機に走ったのだった。 *.:・.。**.:・.。**.:・.。*