「あ、セイの彼女のアヤカちゃん、月乃の大学の友達なんだよ」
なんでもないように説明されて、口をぱくぱくさせてしまう。
「あ……姉!?」
もう一度叫んだ私に、微笑み王子は笑顔のままスマホを渡してくる。
「そ。俺んち上にふたり姉がいんの。5こ上で大学生の月乃と、2こ上で高校3年の朱里」
「あ、あわわ」
「よければ今度紹介するよ。俺のフタマタ相手」
そこまで言ってからアカツキはまた吹き出した。
返されたスマホの画面を見る。手が震えてしまった。
ふたりの美女は、アカツキと同じ、華やかな空気を持っている。
背中がざわざわする。冷や汗が全身にじんわり浮かぶ。
どうして気がつかなかったんだろう。
お似合いの美男美女――なんて、当然のことだった。
3人は、血のつながりを感じさせる、似通った面立ちをしているのだから。