誕生日プレゼントの詰まった紙袋を得意げに突き出してきたセイを思い出し、目を落とす。
私の手には今、トワくんたちに配って軽くなった紙袋がある。
たしかに、よく知らない人からあんまり高いものをもらったら、喜びの感情よりも後ろめたい気持ちのほうが先にくるかもしれない。
「なんか……ごめんね」
うなだれると、軽くデコピンされた。
「いた……」
「チーコが謝る必要ねーだろ」
私のおでこを弾いた手で、トワくんは腕に抱えたプレゼントを指す。
「今回はもらっとくけど、次からはちゃんと断れよな」
つまらなさそうに言う彼のはっきりした顔立ちに、つい見入ってしまった。
「……トワくんて、優しいよね」
「はあ?」
「お、知紗ちゃんも気付いちゃった?」
ダイチくんがぱっと表情を明るくして、トワくんの頭をぽんぽん叩く。


