キミが泣くまで、そばにいる




 ロッカーと机とカバン、あらゆる収納媒体を駆使しても、彼らへのプレゼントは収まりきらなかった。
 置ききれない物は仕方なく机の隅に積み上げたけど、邪魔でしょうがない。

「ちーちゃん、これなぁに?」

 1時間目の英語の授業が終わると、振り向いたレミが不思議そうに首をひねった。
 包装された贈り物の山は少し触っただけで崩れそうだ。

「アカツキたちに渡してって、頼まれちゃって。邪魔だから今配達してこようかな」

 机の上の山をまるごと抱え上げた瞬間、一番上の箱が落ちそうになる。

「うわ、わ、わ」

 バランスを取るために身体をくねらせていると、ぴろりんと音がした。

「その動き最高! ちーちゃん天才!」

 スマホを構えるレミにぎょっとする。

「ちょお、動画はやめてぇぇ!」

「うふふ、ちーちゃんてば、おっちょこちょいで可愛いなぁもう」

 言いながら、レミはスマホを下げ、代わりに紙袋を掲げた。