キミが泣くまで、そばにいる



 * * * 

 翌日は雲ひとつない快晴だった。

 新緑がまぶしい並木通りを歩きながら、暖かな空気を目いっぱい吸い込む。

 なんて晴れやかな朝なんだろう!

 ここ数日胸を巣食っていたモヤモヤも、一気に晴れ渡ったみたいだった。


 私は今日、アカツキから解放される。


 決定的な場面を写した浮気の証拠写真。
 どこで本人に突きつけようかな。

 鼻歌を歌いながら生徒玄関で靴を履き替えていたら、

「真辺さん」

 甲高い声に呼びかけられた。
 振り向くと、メイクばっちりの女子数人に囲まれている。

「ちょっと来てもらえる?」

 真ん中にいるひときわメイクの濃い女子が、にやっと不敵な笑みを浮かべた。