キミが泣くまで、そばにいる



「な、な、な、なに? ひ、ヒモ……?」

「まさかチーコがそんなセクシーなの穿いてるとは思わなかったなー。人は見かけによんねーわ」

「ちょ、トワくん待って。なんの話?」

「ん? アカツキに見せたんでしょ? パンツ」

 思わず立ち上がる。
 となりを振り返ると、微笑み王子は口を結んで肩を小刻みに震わせていた。笑いをこらえているのだ。

「アカ……ツキ?」

 頬をひくつかせている私を見たとたん、アカツキは「ぶはっ」と吹き出した。

 あはははと笑い転げている王子からトワくんに目を移す。

 顔面が可愛いアカツキに対して、トワくんの顔つきは男らしい。
 凛々しい眉と眼力のある彫りの深い目元。薄い茶色の目でじっと見上げられ、頬がみるみる火照った。

「み、見せたんじゃないよ! 自販機の前で……不可抗力っていうか、たまたま見られたっていうか、だいたい私、持ってないもん! ヒ、ヒ、ヒモ、ヒモパ……なんて」

 乙女になんてことを言わせるんだ、と半分泣きながら睨みつけると、アカツキはひーひー笑いながら手を振った。