「だめ」 私は拳を握り締めた。足が小さく震えている。 自分が今、何をしてるのか、よくわからなかった。 直感のまま動いているだけだ。 もしかすると、私の行動はアカツキが求めてることじゃないかもしれない。 セイがやってるみたいに、アカツキの気持ちに寄り添えてないかもしれない。 それでも、私は、こうすることしかできない。 まっすぐぶつかることしか、できない。 「放って、おかない」 だって私には見えてしまうから。 なぜか、聞こえてしまうから。 微笑み王子の、『悲鳴』が。