キミが泣くまで、そばにいる




「だめ」

 私は拳を握り締めた。足が小さく震えている。


 自分が今、何をしてるのか、よくわからなかった。

 直感のまま動いているだけだ。

 もしかすると、私の行動はアカツキが求めてることじゃないかもしれない。

 セイがやってるみたいに、アカツキの気持ちに寄り添えてないかもしれない。

 それでも、私は、こうすることしかできない。

 まっすぐぶつかることしか、できない。


「放って、おかない」


 だって私には見えてしまうから。

 なぜか、聞こえてしまうから。


 微笑み王子の、『悲鳴』が。