私はレミと、ベンチの脇にある植え込みの段差に座ってお弁当を広げていた。
「賑やかだねぇ」
「うん」
レミにうなずいて、私はじっとアカツキに視線を注ぐ。
相変わらず笑顔だ。セイとふざけあいながら、女の子たちからちょっかいをかけられながら、アカツキは同じような平坦な笑みを浮かべてる。
「すごい見てるね」
「うん……えっ?」
振り返ると、レミはくすくす笑っていた。
「な、なに?」
「ううん。なんでもなーい」
首を振ってから「ほんと、ちーちゃんは可愛いなぁ」としみじみつぶやく。
と、アカツキが振り向いた。
「知紗」
「はい!」
「ジュース、買ってきて」
差し出された硬貨を受け取り、いつものようにイチゴミルクを買って戻ってくると、アカツキはふわっと笑った。
「サンキュ」
ぽんと頭を撫でられて、ふいに胸が詰まった。


