キミが泣くまで、そばにいる





 照りつける太陽が空気を蒸らす。

 木陰にいてもむっとする気温だった。蝉の声はまだ聞こえないけど、もう関東は夏に片足を突っ込んでいる。

「そろそろ暑いな。外で食べるのもきついかも」

「来週は30度超えるってよ。あぁプール行きてぇ!」

 ダイチくんとトワくんの会話に、ファンの子たちがすかさず食いつく。

「じゃあトワ、テスト終わったらうちらと一緒いこーよ」

「やだよ」


 向かい合う2基のベンチに5人のイケメンが座り、その周囲をそれぞれの取り巻きたちが固めていた。

 なかには、地面に持参したビニールシートを敷いて座り込んでる子たちもいる。

 彼らと何度か一緒にお昼を食べた記憶があるけれど、そのときは周りにこんなにたくさんの女の子はいなかった。

 私がいたときはたまたま取り巻きたちの目を掻い潜っていただけか、あるいは最近イケメングループとして知名度が上がりファンが増えたのか。

 きっとその両方なんだろう。