キミが泣くまで、そばにいる



 砂色の髪が、窓からの日差しを吸収してひときわ明るい。

 目立つなぁ。

 周囲からの視線を、ちょっと乱暴なくらい強引に引きつけて、いつも笑みを絶やさない微笑み王子。

 でも、本当は無理して笑ってるのかな。

 腹が立ったときも、苦しいときも、泣きたいときですら、アカツキは笑うのかな。

 なんのために――?

 どんなに彼の気持ちに寄り添おうとしても、私には想像できなかった。

 嬉しいときに笑って、悔しいときに怒って、苦しいときに泣いて、感情を制御せずに生きてきた私には、わからない。

 アカツキが何を思って、笑っているのか。

 長い手足を窮屈そうに折り曲げて机に向かっている彼を、じっと見つめる。

 無理してるってことは、心に負担がかかってるってことじゃないのかな。

 アカツキは、いったい、何を抱えてるの……?