学校で見る以上にオーラが全開で、通行人たちがざわめいてる。中心に立っていた金髪男が私を見つけて声を張り上げた。

「おっせーぞちィ!」

「だってまだ5分前……」

 公園の時計は12時55分だ。

「バカちィ、約束があったら10分前には集合するもんだろが!」

「ええ? 早すぎない?」

「社会の常識だバカ」

「ば、バカって……」

 アカツキが「まあまあ」ととりなしてくれる。

 微笑み王子は今日、七分袖のパーカーにデニムというシンプルな格好なのに、小物がお洒落なのか、着ているものの趣味がいいのか、雑誌から飛び出してきたみたいで、うっかり見とれてしまう。

「レミちゃん私服姿も最高に可愛いね!」

「あはは星野くん笑える」

 でれでれ鼻を伸ばすセイをレミはマイペースに一蹴した。それを見て笑うトワくんとダイチくん。高槻くんはぼうっと噴水に目を向けている。

 明らかに美男美女の集まりで、私ひとりだけ場違い感がすさまじい。

 周囲からの「あなた間違ってますよ」という目線に耐えていると、セイが近くのビルを指さした。

「じゃ、一回戦と行くか」