キミが泣くまで、そばにいる



 きょとんとしているレミに、白い歯を輝かせた魅惑の微笑を見せる。

 おそるべき変わり身の術だ。私に対する態度とは天と地ほども違う。

「あー金髪の星野くん。有名人だ有名人」

 流行の一発屋芸人を前にしたような反応のレミに、セイは決め顔を見せる。

「ありがとう。嬉しいよ。レミちゃんならいつでも付き合うんだけど……ごめんね。俺、今、彼女がいてさ……」

「きゃはは、星野くん、おもしろーい」

 セイからかばうようにさりげなくレミを下がらせたけれど、あまり意味がなかった。

 自意識過剰に口説き文句を連発するセイに対し、レミはバカウケしている。

 さすがレミ、と思っていると、背後に気配を感じた。

「知紗、ハチマキ緩んでる」