キミが泣くまで、そばにいる

 
おそるおそる口にすると、金髪美形は眉をぎゅっとひそめた。

「顔だよ、顔」

「……は?」

「惜しいな~。鼻があと3ミリ高ければ70点だったのに。残念」 

「な……」

なんですとぉぉ!

「ぶはっ」

右側の微笑み王子が盛大に吹き出した。

「あはははは、3ミリ! 惜しい!」
 
爆笑されて頬がみるみる火照っていく。
井端暁の笑い声は正面のベンチにまで飛び火した。

「え、なになに、何の爆笑だよアカツキ」

「セイ、また何か女の子に失礼なこと言ったんだろー?」
 
向かいのベンチでパンをかじっていた短髪男子の言葉に、あっと思った。
 
セイ――星野彗(ほしの せい)。
 
とっさに左を向く。ベンチに座る5人の男子はみんなかっこいいけれど、私の左にいるこの金髪美形は特に顔立ちが整っている。

目鼻のバランスが完璧で、その金髪も地毛と言われたら「ああ、そうですか」と思わず納得してしまいそうなほど自然に似合っているのだ。