「あれ…」




その男は少し、ていしして、それから気持ちのいい笑顔で言いました。




「おかえり!」




「ありがとう」




いもうとクレアは笑顔で答えましたが、




兄であるトムのかおは、ひきつっていました。




「……お兄ちゃん?」




ふしんに思い、声をかけますが、こたえません。



「まだ、いたんですか」



「“まだ”とはなんだ。“まだ”とは」




その男は、トムにりんごパイをくれた




“あの男”でした。