「あの、手紙はヤだよ?」 「心配するでない。 手紙のことは、中世イギリス新聞で散々笑ものにされて後悔しておるからな。 また別のやり方をする」 苦虫を噛み、ナポレオンは傲岸不遜に腕を組んでみせた。 「我が輩の辞書に不可能の文字はない。 やる気になれば、結婚にだって持ち出してやるさ」 ふっ、と笑いかけ。 ナポレオンは芝生に視線を投げた。