「…いいよ、泣いて」 泣き顔を隠そうとする私の頭に、ふわりと掛けられた南雲くんのジャージ。 真っ暗になった視界と、南雲くんの匂い。 見えないように、してくれたのかな。 その優しさに、堪え切れなくなった涙がポロポロと溢れる。 「っ、うぅー…」 結局、南雲くんは私が泣き止むまで黙って側にいてくれて。 私が落ち着いてから、一緒にグラウンドに出た。