「はい、チケット」
「あっ、いくら?」
小学生ぶりくらいに来たプラネタリウムに、キョロキョロしていると、いつの間にかチケットを買ってきてくれていた南雲くん。
お財布を取り出そうとすると、止められた。
「いいよ、いらない」
「えっ、でも」
「こういう時は男が奢るんじゃないの?」
…そう、なの?
そういう知識がゼロの私には分からなくて、首を傾げる。
「男の子と出かけるの…初めてだから、分からないんだけど…」
でも、奢ってもらうなんて申し訳ない。
私が星が見たいって言ったから連れてきてくれたのに。
「いいって、受け取らないから」
多少強引に財布をバッグに戻されて、ありがとう!とお礼を言った。



