「…ふっ」
「え…」
「くくっ…緊張しすぎ」
可笑しそうに笑っている絢星くんがいた。
「ちょっ…からかって…」
「ごめんごめん」
悪びれた様子もなく笑う絢星くんに、思わず私も笑ってしまった。
…ああ、やっぱり好きだ。
この人のこと、大好きだ。
諦めるなんて、当分できそうにないなぁ。
「…ていうか夕陽、白雪姫のセリフ全部覚えてるの?」
気を取り直して、とちゃんとセリフ合わせをしていると、絢星くんが驚いたように言った。
「う、うん…」
そう、実は白雪姫のセリフを全部覚えてしまった。
それは、王子役をやる絢星くんがかっこよくて、しかも練習の時くらいしか絢星くんをちゃんと見ることができなくて。
だから、ずっと見てたら覚えてしまったわけなんだけど。



