「ほら、そこ寝て」
ベッドを指さされ、戸惑いつつもベッドに横になる。
な、何でこんな状況に…。
保健室の少し硬いベッドのスプリングが、ギジリと音を立てた。
誰も居ない保健室。
聞こえるのは時計の秒針の音。
目の前には、絢星くん。
「なんて美しい姫だ」
劇のセリフだ。わかってる。知ってる。
何度となくこのセリフを、冬花さんに言っているのも聞いてた。
なのに、なのに。
なんでこんなに、ドキドキしてしまうんだろう。
ゆっくりと近付いてくる絢星くんの顔。
直視できなくて視線を下げれば、そこには絢星くんの真っ白なシャツ。
襟の間から覗く鎖骨。
少し緩められたネクタイ。
だめ、むり!
顔が真っ赤になるのを自覚しながら、恥ずかしくてぎゅっと目を閉じると。



