「演技っていろいろ大変そうだね…」
「もっと白雪姫のことを愛しそうな目で、とか言われても分からない…」
目まで指導があるのか…!
それは大変だなぁ、なんて思っていると。
「…夕陽、白雪姫のセリフ読んでよ」
ふと思い立ったように台本を差し出した絢星くんに、驚いて顔を上げる。
「な、なんで…」
「夕陽が相手ならできるかもしれないじゃん」
だからなんで、そうやって期待させることばかり言うの。
かっこいい顔で、笑わないで。
…結局私は、絢星くんとサヨナラしようと思ったのに、実行できずきいる。
どうしたってこの顔を見たら、まだ離れたくないって思ってしまうから。
ずるいのは、私だよね。



