「あ…じゃあここで」
2人の家の分かれ道。
いつもは寂しくなるこの場所に、今日は早くたどり着きたかった。
早く、1人になりたかった。
「うん、また明日」
背を向けて家に帰ろうとすると、聞こえた言葉。
「…なんかあったら言って」
「え…?」
「元気ないでしょ、最近」
その言葉1つで、なぜか泣きそうになった。
「っ…ありがとう」
泣きそうなところを見られたくなくて、背を向けたまま呟いた。
…やめてよ。
優しいことばっかり、しないでよ。
ずるい。ずるい。
しばらく歩いて振り返ると、そこに絢星くんの姿はもう見えなくて。
それがどうしようもなく寂しくて、切なくて。
隣にいるのに遠い。
2人でいる時の方が寂しい。
それでも一緒にいたい。
心の中がぐちゃぐちゃで、もう苦しい。



