「…」 「…」 恐ろしく長い沈黙。 辛い…っていうか、怖い。 2人きりの保健室、と言えば何だかロマンチックな気がするけれど。 ドラマみたいなそれとは状況が違う…と思う。 机ひとつ挟んで向かい合う私たちの、この気まずい沈黙を破ったのは、彼の方だった。 「何か喋ってよ」 「えっ」 無茶振り…。 黒縁の眼鏡の奥から覗く切れ長の瞳に威圧されて、何とか話題を探す。 だけど、私たちがまともに喋るのはこれが初めてで。 しかもわたしは人見知りで。 ぐるぐると考えた結果。