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もう春も過ぎ、梅雨の季節になった。

外が大雨で体育館内は湿気でムシムシしている。


……暑い。


「よぉ、田邊!バテてんなーっ?」


バスケのチームメート 上原さんが話しかけてきた。

普段は有名企業で営業マンとして働いている。

上原さんは気さくでいいひとだ。

実力のあるプレイヤーで、チーム内でも信頼されている。

無愛想であまりチームと馴染めていない俺のことをよく気にかけてくれる。


「上原さん。…マジ、暑いっす」

「だよなー、俺も暑い…。」

「なぁ」

「はい」

「彼女とどう?」

「はぁ...?」


やけに楽しそうな満面の笑み。

でも何が言いたいのか、さっぱりだ。


「うまくいってる?」

「…そりゃまあ、順調っすかね」

「やっぱりね。最近、バスケ楽しそうにしてっからそうかと思ったんだよ」


…なるほど。
確かに最近、毎日が楽しい。

態度がデカくなったネコたちに手を焼きながらも、毎日が幸せにあふれている。