『柏寮はどんな感じだ?女だらけなんだろ?
女ってさ、陰でネチネチやりそうだからな。
おい、イジメにあってねぇか?』
「…それがね…」
寮という物は男女に分かれていると思い込んでいたので、
大樹にも両親にも女子寮だと伝えていた。
それなのに実は男子寮状態なんて、絶対に父には言えない。
母に言ってもダメ。すぐに父に伝わるから。
両親には絶対に言わないでね?と念を押してから、そのことを大樹に説明した。
『は?全員…男?
すげぇ危険じゃねーか!
何で確認してから入らねぇのよ!
今すぐ出ろ!どっかのアパートに引っ越せ!』
「大丈夫だよ。
部屋に鍵も付いてるし、みんな優しくていい人」
家賃0円の寮を出るなんて、もったいなくて出来ない。
受話口で怒鳴る大樹を安心させようとしたが、
「みんな優しい」の言葉に、大樹は更に声を大にした。
『アホ!
男が優しいのは、下心があるからに決まってんだ!』
「何慌ててんのよ。大丈夫だって。
学校に行けばお洒落で可愛い子が沢山いるし、私なんかには誰も……」
『バカか! お前、自分のこと分かってねぇ!
紫くらい可愛い女が近くにいたら、手を出したくなるに決まってんだよ!』
「……… 大樹… 今、私のこと可愛いって言った?」
『あ………………
言ってねぇ』


