「チッ、反論もなしかよ…マジ腐ってんな。
おい流星、凹んでも意味ねぇぞ。
もう何もかも解決してんだ」
「そう………は…?
解決…?」
今度は「そうだね」といい加減な返事は出来なかった。
『解決』と言う言葉に引っ掛かり、大樹を見上げた。
ニヤリ、彼は意味ありげに笑う。
興味は一気に大樹へと引き戻され、紫花への探究心は消え失せていた。
「解決って…何についての?」
「全てだ。
紫の泣き顔を見たくねぇって事も、命の期限を言うのが怖いってビビッてる事にもだ。
紫は3年前にそれ知ってんだよ。
解決済みの問題でウジウジしてんのはてめぇだけだぞ。
マジバカみてぇ」
「…は…!?」
「“は?”じゃねーよ。
てめぇが意味不明な失踪しやがったせいで、紫は変に思い詰めて大変だったんだぞ?
だから俺が代わりに教えてやった。
てめぇが居なくなってすぐにな」
「…え……」
一瞬何を言われてるのか理解出来なかった。
不敵な笑みを浮かべるその顔を、口をあんぐりと開け見上げていた。
…今…大樹は…何て言った…?
『紫は3年前にそれ知って……俺が教えてやった……』
我妻さんに拾われて3年、この家の人達にやんわりと説得され続けても、言い出す勇気を持てずにいたのに…
紫は3年前の…俺が居なくなってすぐに、大樹から全てを聞いていたと言うのか…?
先程の大樹の突撃訪問時よりも、今の驚きの方が遥かに大きかった。
本来ならなぜ言ってしまったのかと、怒るべき所かも知れないが…
驚き過ぎてフリーズしてしまった。
大樹が言うとは微塵も思っていなかった。
命の期限を打ち明けたのは彼にだけ。
口止めしなかったのは、その必要を感じていなかったから。
大樹の紫を大切に想う気持ちを信じている。
彼女を傷付ける言葉を、大樹が言う筈ないだろうと…勝手に思っていた。
それなのに…
何故わざわざ紫に無用な傷を……


