ラベンダーと星空の約束

 


「んー…困ったなぁ、この日本人の言葉がさっぱり分からん。

うーん…そのジェスチャーは、何かを探してるって意味かな?

あ〜…キミ・ハ・ナニヲ・サガシテ・イル?」




「は?何言ってっか分かんねーよ。

けど、何か捜してんのは伝わったみてーだ。
すげーな俺。

じゃあ後は『流星』って分からせればいい訳だ。


流星…あ゙〜英語で『流れ星』って何てーんだ?

『星』はスターだろ?
スター…スター…ベビースター。それは食いもんだ。

スターバックス、スターウォーズ…これも違ぇ。

スター…スタート…スターダスト………

おっ!スターライトか!(←違います。シューティング・スターです)


うしっ分かった。
おいオッサン、俺は『スターライト』って男を捜してんだ。

すたぁ・るぁい・っとぉ。英語分かるかオッサン?」




「スタアルイ・ットォ?

何だそれは…う〜ん…
スタァルイ…スタールィ……

おお!そうか分かったぞ!

『スタールシィ・ブラット(兄)』か!
君は兄を捜してるんだな?」




「何か違ぇ、『スターライト』流星だって!

だあ〜!何て言ったら通じんだよ!!」




「ダア?
おお!『ダー(Yes)』か!

そうか、君はやっぱり兄を捜してるんだな!

よーしよし、段々分かってきたぞ?謎解きみたいで結構面白いもんだな。

それでその兄とは………」




――――――……


大体こんな感じの間違いが起きたのではないかと、想像してみた。



そして物凄く言葉の行き違いがあった結果、

最終的に『生き別れの兄を捜して』と感動物のストーリーが出来上がってしまった。



そんな訳であの警官は、ルポライターの息子にまで声を掛け、この町に大樹を連れて来た。



あの名刺に書かれていたのは前の住所だが、アナスタシアさんの翻訳会社の名称も印字されている。



法人登録してある会社名だから、大樹には無理だろうが、ロシア人なら移転先の住所を調べ上げるのは簡単だ。



成る程。

大樹一人でここまで辿り着けた理由は理解出来た。



だが分からない事がまだ沢山ある。