大樹だって、あの時はまだ高校生。
自分の高校も新学期が始まってると言うのに帰ろうとせず、流星を捜して街をうろつき…
このままでは留年してしまうと私が焦り、出席日数ギリギリで何とか帰らせた。
1ヶ月間、大樹なりに懸命に流星を捜してくれた。
その姿に感謝したし胸が熱くなったけど…
そこはやっぱりおバカな大樹、もう少し知恵が回ると頼もしく思えたのにね。
大樹の捜し方はこんな風。
流星の写真を持って街をうろつき
「こいつ知らねー?」
と誰彼構わず聞いて歩く。
そんなデタラメな捜し方をしていると、不審者扱いされ、交番に連れて行かれた日もあった。
流星の通院していた病院では彼の主治医に「居場所を教えろ」としつこく付き纏い、
やっぱり警察を呼ばれて
「またお前か…」
とお説教され帰された事もあった。
極めつけは、流星の実家に朝も夜も何度も押しかけて…
とうとう彼の家族を引越しさせるという、最悪の事態を引き起こし、
頼みの綱をバッサリ切ってくれたりもした。
もうバカ、本当バカ。
行き当たりバッタリ過ぎるその行動に、
瑞希君に『バッタリマン』と変な呼び名を付けられ怒っていたけど…
私も呆れていたから、フォローは出来なかった。
私はと言うと、流星の家族の居場所も分からなくなり、どうしようかと考え、
流星の書いた『ラベンダーと星空の約束』が出版された、岩山文庫へ手紙を送った。
いわゆるファンレターみたいな感じで送ったその手紙には、
『全てを知った上で一緒に生きていきたい』
と願いを綴ったけれど、
2年半を経ても音沙汰ない所を見ると、きっとあの手紙は、流星の手元に届いていないのだと思う。
瑞希君は、学校内とネットで流星の手掛かりを何とか捜し出そうとしてくれた。
でも、一片の痕跡すら見つけらず…
狭い日本でも、人間1人を見つけ出すのは難しいと学ぶに終わった……


