「ハハッ!何と無くでも、分かってくれて嬉しいよ。
俺はこの心臓と運命を共にすると決めている。
つまり十数年後には俺は居ないって事。
それだけ分かってくれたらいい」
流星は笑っていた。
まるで明るい話しをしているみてーに、笑いながら話していた。
俺はとてもじゃねーが笑えねぇ。
だってよ…こいつが死んだら紫は……
流星の前で頭を抱え、しゃがみ込んだ。
うるせー程鳴いていた畑の虫共が、俺が動いた事で一瞬だけ鳴くのを止める。
けどまたすぐに大合唱だ。
うるせーって…
紫の事を考えようとしてんのに、上手く考えらんねーだろ。
「紫は…?
紫はその話し知ってんのか…?」
自分の短い寿命については、怖くも何ともねーって面して話していた流星が、
紫の事を聞かれると、急に声のトーンを下げ、不安げな面を見せる。
「紫には…まだ言ってない……いつか話す……」
「紫…大丈夫かな……」
「紫だから大丈夫……
ラベンダーみたいに強い彼女なら…大丈夫なんだよ…きっと……」
―――― それが、紫の知らない、あの夏の俺達の会話だった…


