「紫…この話しには続きがある。
弓道勝負で流星が賭けると言ったものは、お前の未来だ。
全部教えてやる。
今は考え込まねぇで、俺の話しを良く聞け。
あいつの居なくなった理由を聞いて泣いて悲しめばいい。
そんでその後はしっかり受け止めろ。
俺は、お前の本当の強さを信じてるからな」
流星が居なくなった、本当の理由…?
私を賭けの代償にしていたという事実だけで、十分打ちのめされたと言うのに、
大樹は『まだ続きがある』と告げた。
大樹の緊張した瞳と、いつもと違う重厚な口調が、私の不安を煽る。
流星が居なくなった本当の理由…
それを聞かなければならない。
聞きたいとも思う。
でもそれは、間違いなく更なる衝撃を私に与えるのだろう。
心を守っていた紫色のベールは、二度と姿を現さなかった。
『君はラベンダーみたいだ』
と語りかける流星の声も、もう頭に響かない。
剥き出しの裸の心は、暴風に堪えられるだろうか。
私がさっき大樹に掴みかかったせいで、ベットカバーの一部が乱れていた。
乱れた薄紫色の布はまるで、困惑と不安に彩られた今の私の心の様。
その上に向かい合って座る私達。
震える私の両手を強く握りながら、大樹は夏休みに流星と2人で交わした言葉を、静かに語り始めた。


