流星が選んだカーテンの色は、私みたいな色。
ゆらゆら揺れる薄紫色のカーテン。
風にそよぐラベンダーみたいだね。
「ふふっ…ふふふっ…」
揺れるカーテンを見ていると、朗(ホガ)らかな気持ちなり、自然と笑い声がこぼれる。
すると左横にいる大樹が、睨むような鋭い目つきといつもの悪態で、
この晴れやかな気分を台なしにする。
「いい加減、笑うの止めろって。
キモイって言ってんだろ?
今のてめぇは声も顔も何もかも、有り得ねー位にキモイ」
「ひどっ…最近の大樹って、益々口悪くなってない?
流星ならキモイなんて絶対に言わないよ。
『笑って?』って…流星なら言ってくれるのに……」
「あいつと比べんな。
あんな大バカ野郎と比べられたら、ヘドが出るっつーの」
「大樹…あんたさっきから何イライラしてるの?
流星に当たらないでよ」
「あ゙?当たってんじゃなくて、俺をイラつかせてんのはあいつだ。
あのクソバカ野郎だ。
マジでムカつく。
俺にこんな役目をさせやがって…」
大樹が苛立っているのは分かるけど、その原因が今ここに居ない流星なんて、おかしな事を言う。
今日の大樹の言葉は、意味が分かんない。
『泣かせる為に来た』とか
『こんな役目をさせやがって』とか…
大樹、頭おかしくなった?
ゲームのやり過ぎで、現実とフィクションの世界がごちゃ混ぜになっちゃったとか?
これ以上バカになったら困るんだけど。
大樹の頭が心配になり、揺れるカーテンに背を向け、正面から大樹の顔を覗き込んだ。
顔を覗き込まれたのが嫌だったのか、大樹はスッと目線を下げる。
私と大樹の調度中間辺りの、その先にはベットカバーしかない空間に視線を止め、大樹は沈黙した。
睨んだり苛立ちを見せたり、黙り込んでみたり…
今日の大樹は本当に変だ。
数秒の沈黙の後、目線を下げたままの大樹が再び話し出す。


