ラベンダーと星空の約束

 


2人で拾った柏のどんぐりを
「富良野の大地に一緒に埋めようね」って言ったら

「そうだね…」って頷いていたのに……




嘘つき……




これまで何度、流星に嘘を付かれただろうか。



それは一度や二度じゃない、もっと沢山の嘘……



でも…度重なる嘘は、いつだって私の為の嘘だった。



最初の嘘は高1の夏休み開け。



大樹を選ぶと泣きながら言った私に、

「俺も君より紫(ムラサキ)ちゃんを選んだからdrawだよ」って…

傷付きながら、平気な振りして笑って見せた。




高校を中退し、富良野に帰ろうとした私を引き留めたのは、

「特待生の中退には500万円が必要なんだよ」

という嘘だった。




流星と初めて体を重ねた夜は、私が苦しまない様に、陰で大樹と話しを付けようとしてくれた。




興味の無い分野の小説を隠れて書き続けていた理由が、

柏寮を出されてからの、私の生活費の為なんて…

流星は何も話してくれないから、瑞希君が教えてくれるまで気付けなかった。




そして…

私のインフルエンザが移った時も、入院を隠して嘘メールを送ってきた。

私を不安にさせない為に。




流星が付く嘘は…いつだって、私を想う優しい嘘。



今回もそうなんでしょ…?



嘘を付いて私を実家に帰し、その間に一人で何もかも終結させて居なくなったのは……


私の為なんでしょ…?




きっとそう。

何も言わずに姿を消した理由は、それしか考えられない。



私の存在が重荷になったとか、他に好きな人が出来たとか…そんな理由は有り得ない。



流星は私を愛している。


あの夏の記憶を無くしていた時でさえ、

架空の存在の“紫(ムラサキ)ちゃん”として、私を追い求めていた……



流星は私を愛している。

6年前からずっと…私だけを……



それを信じて疑わないからこそ、私の為に姿を消したと結論付ける。




ただ……

姿を消すことが、なぜ私の為になるのか…

それは全く分からないけど……




床にへたり込んで俯いていた私は、

その答えを求め、重たい頭をゆっくり持ち上げた。