「怖かった…」
「俺が死ぬのは…怖い?」
「怖い……嫌だよ…そんなこと…言わないで……」
「……そっか……」
溜息と共に耳元で聞こえたのは、「そっか…」という一言だけ。
その一言に滲む諦めと落胆の吐息は、
私の情けない涙声に掻き消され、感じ取る事ができなかった。
―――――――――――――――――――――――― 流星は怖れていた……
命の期限を知ってから、ずっと怖れていた……
自らの死よりも…何よりも…
『怖い』という私の一言を……
怖い…それは私の正直な気持ち。
だけど、もっと怖い物がある。
いつか私の目の前で、生を終わらせる様を見せられるよりも、もっとずっと怖い事がある。
それは…離れること。
私からあなたが離れて行くこと。
どこで何をしているのか分からず、
生死さえ分からず、
途方に暮れながらあなたを待ち続けること。
言葉が足りなかったんだ。
怖い…『でも』って…
この時言えば良かったのに……
『俺が死ぬのは…怖い?』
あなたの問いには、こう答えるべきだった。
『怖い…でも…
傍に居られない事の方がずっと怖い。
傍に居たい…だから私の傍で生きて…』
あなたの命の灯火が消える瞬間まで…
私の傍で生きていて… ―――――――――――――――――――――――――


