流星の腕の中、胸元に頬を付けると、
トクトクと私と同じ位の速い速度でリズムを刻む、心地好い心音が聴こえてくる。
ここ数日間は流星の布団を抱きしめ回復を祈り、淋しさに堪えて一人で眠りに就いていた。
布団じゃなくやっと本物の流星の温もりと香りを感じられ、笑みが零れる。
耳元に彼の声が忍び込み、くすぐったくて首を竦(スク)めた。
「はぁー…やっと抱きしめる事が出来たよ……
紫に会えないのが、想像以上にキツかった。
もう入院は勘弁。
早く柏寮に帰って、思う存分愛し合いたい…」
そうして抱き合う私達の目の前には、うっかり存在を忘れそうになっていた瑞希君。
「予想はしてたけどさ、やっぱり僕は邪魔者になるよね。
別に慣れてるからいいけど」
「あ…悪い…」
「離れなくてもいいよ、売店でも行って来るから。
手ぶらで来たし、何かお見舞いの品でも買って来るね。
もう何でも食べれるんでしょ?紫ちゃん、お金は後で折半ね。
それじゃあ30分程出てるから、戻って来るまでに済ませて」
瑞希君は、はっきりズバズバ言いながらも、気を利かせて出て行った。
ドアが閉まるのを見届けて、流星の唇が私に近づく。
優しくそっと触れ…離れて…また触れて…
私の閉じた唇をペロリと舐めた。
「何で口開けてくれないの?」
「いいの…?深いキスしても大丈夫なの…?
病み上がりと言うかまだ入院中だから、なるべく雑菌類は体内に入れない方がいいんじゃないの?
私人混みの中歩いて来たし…あっウガイするべきだった!ごめん…」
「もう平気だよ。
3日後に退院が決まってるから、完治したと思ってくれていい。
俺はもう大丈夫。
だから…口開けて?」
「うん…」
薄く唇を開くと、流星の温かい舌先が潜り込んできて、私の唇をさらに開かせる。
久しぶりの甘いキスに頬が上気し、呼吸も熱を帯びていった。


