汗で湿っていた服は脱がされ、下着もパジャマも清潔な物に着替えさせられていた。
額には冷却シートが貼られ、頭の下にはアイスノン。
ベット横にくっつける様に椅子が置かれ、
その上に水やスポーツ飲料のペットボトル、薬、それから栄養補助ゼリーやプリンなんかが置いてある。
ケースから出されたままの体温計もあり、37.5℃とデジタル表示が示していた。
熱は大分下がったみたい。
お陰で、体を起こしても頭痛は起きなかった。
怠さは少し残っているけど、昨日の様に体を重く感じたりもしない。
ペットボトルの水に手を伸ばし、その横にメモ用紙が一枚置いてある事に気付いた。
それには流星の流麗な字体で、言葉が綴られている。
『紫の部屋は寒いから俺の部屋を使って。
実家に帰るけど、何かあったらすぐに電話すること。約束だよ』
流星……
彼は私の熱が下がったのを確認してから、実家に帰ったのだろう。
一体何時までここに居たのか……
ペットボトルの水もゼリーもまだ冷たいから…
朝まで付き添っていたみたい。
ウイルスを撒き散らす私の傍に、一晩中付き添っていたんだ。
どうしよう……
流星にインフルエンザを移してしまったかも……
不安になりながら、流星に宛てメールを打つ。
朝まで看病していたなら、今頃は寝ているだろう。
そう思い『起きたら電話下さい』と送信すると、
寝ていなかった様で、すぐに着信音が鳴り響いた。
「紫、体調どう?
熱は上がってない?朝の薬飲んだ?一人で歩ける?」
電話に出るなり矢継ぎ早に質問され、また溜息が出た。
自分の感染の心配じゃなく、私の事ばっかり…
はぁ……
「流星…ごめんね……」
「紫…?…大丈夫じゃないみたいだね……待っていて、今すぐ戻るから」
「あっ違う!もう大丈夫だから!
熱も下がってきたし、一人で歩けるし、流星が買って来てくれたゼリーも食べれると思う。
私は大丈夫…でも流星が……きっと移ってるよ……どうしよう……」


