ラベンダーと星空の約束

 


その日の朝、布団をしっかり掛けていても何となく寒いと感じ、夢の中から意識が浮上した。



目を開けると、隣に横になる流星が珍しく私より先に起きていて、微笑みながらこっちを見ていた。



「おはよう」と言いながら頬に触れ、顔を近付けてくるので、私もそれに応えようと目を閉じる。



しかし、唇が触れる寸前に自分の中の違和感にハッと気付き、思い切り流星の胸を押して顔を背けた。




「え… 紫…? 何で…?」




困惑する流星から逃げる様に急いでベットから下り、口元に手を当てながら説明した。




「ダメ!キスはダメ!

どうしよう…喉が痛いかも……」



「…… マジで…?」




声を出した事で、ハッキリ喉の痛みを認識した。



その後は床に散らばっていたパジャマや下着をかき集め、一目散に流星の部屋を出て自室に戻る。



熱を測ると37度2分。

症状は咽頭痛と悪寒。

寒気がするということは…これから熱が上がりそうな気がする。



インフルエンザワクチンは接種しているし、今は学校閉鎖中。



だから、インフルエンザではなく、ただの風邪かもしれない。



でも潜伏期は1〜3日だし、3日前は学校に行き、2日前は熱を出した瑞希君と話しをしている。



インフルエンザの可能性は否定出来ない……



とにかく病院に行かなければ。



流星になるべく部屋から出ない様に頼み、慌ただしく用意をして一人でタクシーに乗り込み近くの内科に行った。



診察室はマスクをした患者で溢れ返っていた。



やはりこの地域のインフルエンザの流行がピークに達しているらしい。



待ち時間は長く、診察の順番が回ってきた頃はお昼に近かった。



時間と共に私の熱もかなり上昇し、座っているのも辛い程関節が痛み、震えが止まらない。