閉められたドアから目が離せずにいた。
彼は大丈夫だろうか?
やろうとした訳じゃない咄嗟の膝蹴りだけど、少しやり過ぎたかな…
気にしている私に瑞希ちゃんがさらりと言った。
「大ちゃんなら平気だよ。
明日にはきっと、違う女の子を連れ込んでるから。
いっそのこと玉ちゃん潰しちゃえば良かったのに。アハハハッ」
可愛い顔した瑞希ちゃん…
言動が見た目と掛け離れている…
「チャラ男は放っといて、寮の中案内するね?」
彼女は一階のシャワールームと洗濯室を案内した後、
階段を上りながら寮の説明をしてくれた。
柏寮は各階にそれぞれ10部屋ずつの個室があり、
今は一階に3名、二階に私も含めて2名しか住人がいないらしい。
つまりほとんどが空室。
昔は賑わっていたこの寮も、
老朽化したことや食事が付いていないことから、近年は希望者が少ないそうだ。
確かに古い造りは不便そうに見える。
個室には簡素な洗面台があるだけで、
トイレやシャワー等、水回りが共同である所は女の子には少々キツイ。


