大樹に言われて肩や腕を回してみた流星は、やっぱり痛みがあるらしく、少しだけ顔をしかめている。
「明日…店の仕事が終わったらここに来い。
強制はしねーけど」
「へぇ…明日も教える気があるんだ…断られるかと思ったよ」
「断っても、てめぇは勝手に来るんだろうが」
「ハハッ 良く分かってんじゃん!」
笑う流星を見て大樹は仏頂面してるけど、
弓道を教える事を嫌がってはいないみたい。
自分が弓を引く事に恐怖を感じても、教える事は大丈夫なんだね。
弓道自体に嫌悪や恐怖を感じている訳じゃないと分かり、少しだけ安心した。
良かった…
これならもしかして、
また弓を引きたい…そう思ってくれる日も、遠くないかも知れない……
◇◇
その日から数日間、流星は店の仕事を上がると、夕食も後回しで一人、大樹の家に通っていた。
私も見に行きたかったけど、夕食の支度やお店の後片付けや…
夕方は色々と忙しく、行けなかった。
それに…
大樹に再び弓を握らすには、私は見に行かない方がいいかも知れないと流星が言うから、
ソワソワしながらも彼に任せる事にした。
東京に戻るまで後数日…
大樹の弓道姿を再び見れる事を、ただ静かに祈っていた……


