急いで呼んできた亀さん、たく丸君と3人で、聞き耳を立てた。
「ああっ…流星待って…力が入りすぎてる…もっと優しく……」
「難しいな…こんな感じ…?」
(やっぱり紫ちゃんがリードしてるよね…
百戦錬磨の大ちゃんをリードって…何がどうなってると思う?)
(僕にも分からないよ…
だけど、あの大ちゃんが難しいと感じる事をさせてるみたいだね…
どんな事してるのかな…)
(しっ!2人とも声が大きい。
聞いてるのがばれたら、月岡さんが可哀相だ。)
「そう…いい感じになってきた……
うん、もういいよ…入れて?…ゆっくりとね?」
「OK………
あっ…やべっ少しこぼれた…ごめんラグに白い染み付けちゃった…」
「ティッシュ一枚しか入ってないよ。どうしよ…買い置きもちょうど切らして…」
「俺の部屋から持ってくる。
待ってて…」
大ちゃんがいきなりドアを開けるから、3人揃って超慌ててみたけど……
あれ…?
2人とも服を着てるし、エロい空気が皆無だ…
「みんな何やってんの?」
「大ちゃんこそ…
紫ちゃんと何してたの…?」
「ケーキ作ってた」
「…… は?」
紫ちゃんの説明によると、
炊飯器で作れるシフォンケーキの作り方をネットで見付けたから、
大ちゃんに手伝って貰い生地作りをしていたとの事だった。
最近料理に挑戦している紫ちゃん。
でも、彼女の右手はまだ料理なんて出来る程の機能は回復していないので、左手のみで作らなければならない。
大ちゃんの好きなだし巻き卵焼きを作ろうとして、失敗して凹んだりもしてたけど、
片麻痺を抱えて生活している人のブログを見て、
「あっこうやってやれば片手でも作れるんだー」
なんて、結構楽しそうに料理を作り僕にもご馳走してくれる。
それで今回は、大ちゃんと一緒にシフォンケーキに挑戦してたのか…
「これから焼いて冷やしておくから、夜の宴会の時に皆で食べようね!」
「そ…そうだね…ハァ…」
紛らわしい会話は止めて欲しい…
聞き耳を立てていた僕達3人は、顔を見合わせ溜息をついた。


