これも、とある放課後の話し…
◇
僕と大ちゃんは、いつもの様に彼女のクラスへ行った。
「紫ちゃん帰るよー」
「流星、瑞希君、
5分だけ待ってくれる?」
そう言われ、僕はすぐ文句を言った。
「また? 話しがあるって言われた時に、その場で断ればいいじゃん」
「だって、“放課後話しがあるから待ってて”って言われただけなのに、
“ごめんなさい”って言うのおかしくない?」
「まぁいいよ、その相手来たみたいだし…終わるまで待ってる」
今日のチャレンジャーは、1年の他クラス男子か…
大ちゃんと紫ちゃんが付き合っているのは、もう全校生徒が知ってるよ。
2人とも有名人だしね。
全くフラれるのが分かっていながら、よく告る気になるよな。
どういう心境なのかな?
言ってすっきりしたいのか、M気があるのか、
それとも、余程の勘違い君なのか。
僕にはその気持ちは分からない。
やってきた男子生徒は、教室の後ろで腕組みしながら見ている僕らに、たじろいでいた。
「気にしないでいーよー」
と言ってやっても、そいつは気まずそうにして、中々話し出さないから、
僕らは廊下に出て待つことにした。
5分なんて掛からず、2分で、
何事もなかったかの様に、紫ちゃんがひょこひょこ自力で歩き、廊下に出てきた。
「紫ちゃん、何て言って断ったの?」
「断ってないよ」
「え……?
紫…どういう事?」
紫ちゃんが他の男に乗り換えるなんて有り得ないのに、
一瞬言葉を失ってる大ちゃんが面白い。
「だって付き合ってとは言われなかったもの。
『好きだから』って言われたから『ありがとう』って言った」
「それでおしまい?」
「うん」
勇気を出して告白したのに、振ってさえ貰えなかったのか…
紫ちゃんて、本当天然で男を振り回すよね…
さっきのチャレンジャー君に同情するよ……
◇
そんなこんなで、取り立てて大きな問題はなく、2人は毎日幸せそうに過ごしている。
僕としてはモヤモヤ状態から脱してやっとくっついてくれたから、
イライラする事も無く、気分はスッキリ嬉しいよ。
スッキリ…
いや、これだけはスッキリしないか…
スッキリ所か、悶々としちゃうよね……


