“恋話”と言われても、腑に落ちない。
そんな僕らに周りの女の子達が、こう説明してくれた。
「紫ちゃんに、男心の掴み方を教えて貰ってたんだよ」
「あんなにチャラかった大ちゃんを、こんなに変えれるなんて尊敬ものでしょ。
何か物凄いテクニックがあるんじゃないかと思って聞いてたの」
「大ちゃんが心配してるみたいだしもういいよ。
また今度相談に乗ってね?
あっ今日教えてくれた技は、明日〇〇君に使ってみるから!」
「… は?」
「… 何それ…」
そこまで説明されても、僕と大ちゃんの頭の中はまだ疑問符でいっぱいだ。
紫ちゃんに何を教えて貰ってたって…?
男心の掴み方?
テクニック?技?
待て待て、鈍感極まりない紫ちゃんに、そんなの教えられる訳ないじゃないか。
何を聞いたのか知らないけど、
その技とやらを使ったら、〇〇君の目が点になるから止めた方がいいと思うよ…
◇
結局あの時は呆れる様な呼び出しで良かったけど、
大ちゃん本気でモテるから、まだまだ嫉妬の視線は続きそうだよね。
あ、そうそう。
モテるのは大ちゃんだけじゃなく、紫ちゃんもだった。
退院してからの紫ちゃんは、今まで以上にモテていた。
いや…何か言い方違うな…
今までもかなり人気があったと思うけど、
紫ちゃんて、甘い見た目と違い、言葉がスッパリハッキリして少しキツイからさ…
声掛けたら、
「何?用事?」
って、間髪入れずに短い返答。
柏寮の僕らはそのツンツンな反応に慣れてるし、
実際は結構乙女な心をしてるのが分かってるからいいとしても、
彼女の事を良く知らない容姿に惹かれた男達は、
見た目と正反対の甘さゼロのドライな口調と、強い眼差しにたじろいでしまう……
だから今までは、モテるのに告白されなかったんじゃないかな…
というのが僕の推測。
今はというと、口調のキツさは緩和されたし、良く笑う様になった。
冷たいイメージは払拭されたみたい。
しかも、右足を引き擦りながら、ひょこひょこ一生懸命歩く姿が萌えポイントとなり、
ここにきて、まさかの告白ラッシュにあっていた。


