「そうだけど…
左手に体重掛けちゃうから、重たいよ?」
「紫が重いわけないじゃん!
何この細いウエスト。
重いなんて言ったら、学校中の女子全員敵に回すよ?」
大丈夫だと言い切ってくれる2人。
でも、廊下はいいとして、移動教室の時の階段が…
階段昇降にまだ自信がないと話すと、今度は真由の彼氏のケント君が援助を申し出てくれた。
「階段は俺が抱っこするから大丈夫!
遠慮なく足にして。
あ〜毎時間移動教室だったらいいのにな〜!」
「ケント! 今何て言った?
あんたは紫に触りたいだけでしょ?
抱っこなんてダメ。絶対ダメ。
あんたお尻とか触りそうだからダメ」
真由がヤキモチ焼いて喧嘩になりそうなので、
折角のケント君の申し出は、丁重にお断りした。
階段は…やってみないと分からないが、支えがあれば上りは大丈夫な気がする。
だけど下りるのは不安だ。
恐怖心を克服出来るまでは、流星にメールして来て貰う事にした。
始業の本鈴が鳴り、集まっていたクラスメイト達はパラパラと席に戻り始めた。
流星と瑞希君に
「また後でね」
と言おうとしたら…
真顔の流星がいきなり私を抱え上げ、黒板の方へ歩いて行く。
そして私を、教卓の上にストンと座らせた。
「流星…? 何やって…」
私の席は教卓じゃないよ?
とツッコミを期待してる訳じゃないよね…
何でこんな所に座らされたのか分からず困惑する。
すると流星は、皆の前でキスしてきた。
一瞬の静寂の後、どよめきが起きた。
「ヒュ〜!」とか「マジで〜?」とか…
冷やかしや残念そうな溜息が聞こえる中、流星は微笑んで皆に言った。
「手助けしてくれるのは有り難いけど、俺の彼女だから男共は体に触らないでね?
何かしたら…痛い目見るよ?」
ニッコリ笑って言ってるけど…
流星…目が笑ってない…
ケント君が私を抱っこするなんて言ったから、
真由だけじゃなく流星もヤキモチ焼いて、牽制したのか。


