入院中、学校に電話して容態を説明したのに、
何故かクラスメイトの間には、かなり大袈裟な噂が広がっていた。
「もう…どれだけ心配したと思ってんのよ…
大丈夫ならメールくらいしてよ。
こっちは面会謝絶って話しを聞いたからお見舞いにも行けないし、
もう二度と紫に会えないんじゃないかって……ううっ……」
「わっ ごめん真由、泣かないでよ。
千絵梨まで…本当ごめんね、心配してくれてありがとう」
気付いたら、私の周りにクラスメイトが集まっていた。
注目される事への恥ずかしさと、気に掛けてくれた事への嬉しさを感じながら、皆に今の状態を説明した。
片麻痺の後遺症があると話しても、皆はそれ程深刻には受け止めなかったみたい。
ニコニコしながら
「へえーそうなんだ」
と話しを聞いてくれる。
脳死とまで思われていた中、
こうして片足を引き擦りながらも、歩いて登校したのだから無理もない。
私としては哀れみの視線を向けられるより、
「大した事なくて良かったねー」
と言われる方が気持ちが楽なので、そう考えると変な噂も役に立った。
皆に一通り説明し終えた時、
始業5分前の予鈴が聞こえた。
流星は中休みの度に来るからと言い、教室を出て行こうとした。
それを引き止めたのは、真由と千絵梨。
2人がこう言ってくれた。
「学校にいる間は私達が付き添います。
わざわざ先輩が来なくても大丈夫ですよ。
左腕を支えれば歩けるんでしょ?ねっ紫?」


