瑞希君の機嫌が何とか戻り、亀さんとたく丸さんを見送った後、
私達3人はいつもの通学時間より15分早く寮を出た。
瑞希君は私の鞄を持ってくれる。
流星は私の左腕を支えてくれた。
通学時間も大切なリハビリ時間。
大勢の生徒に抜かされながら、
以前は5分と掛からず着いた短い道程を、今日は15分掛け、ひょこひょこと歩いた。
右足が少しでも動くということは、段差を越える時、かなり有利に働く。
段差に麻痺足を引っ掛ける危険性が減り、支えて貰えば階段も上れそうな気がした。
でも今日の所は時間もなくなってきた事だし、流星に抱き上げて貰う。
2階の職員室で担任に挨拶を済ませ、再び抱えられ1階に下りて教室に入った。
始業の10分前に教室に入ると、
クラスメイトの視線が一斉に私に向いた。
久しぶりで注目される事は予想してたけど、
皆の視線には、何故かお化けでも見てしまったかの様な驚きが混ざっていた。
不思議に思っていると、真由と千絵梨が駆け寄ってきた。
「紫!? えっ本当に紫!?
学校来れるの?大丈夫なの?」
「階段から落ちて意識不明の面会謝絶で、今度脳死判定の予定って…あの噂は何!?」
「何よそれ……」


