それでも、かなりの急回復に喜びが込み上げてくる。
次に右足を動かそうと試みた。
ベットの端にお尻をずらして足を床に付け、
力を入れてみると…
物凄く重たく鈍い動きではあるけど、股関節も膝も足首も、確かに動いてくれる。
それらを一通り調べてから、流星に掴まり立ち上がった。
今までは全く動かなかった右足を半歩前に進め、体重を移し、次に左足を出す。
流星に支えられながら部屋の端まで歩き、
向きを変え、今度はベットまで彼の手に掴まらずに戻ってきた。
支えがなくても歩けた……
ペンギンみたいに小股でひょこひょこと危なげな足取りだけど、
今確かに自分一人の力で、2メートルの距離を歩く事が出来た。
「流星…歩けた…私歩けたよ!
右腕もほら、曲げたり伸ばしたり…自分の意思で動かせる!
嬉し……ふっ…ううっ…」
沸き上がる喜びに涙が溢れ、両手で顔を覆って泣いていた。
こうやって右手が顔に触れるのも1ヶ月振り…
流星は私の裸の背中に腕を回し、そっと抱き寄せ、耳元で囁いた。
「紫の直(ヒタ)向きさが奇跡を呼び寄せたんだよ…
俺も嬉しい…
今まで必死に頑張ってくれてありがとう…」
そのままベットになだれ込み、
今日2回目の快感を味わった。
流星は
「もう1回セックスしたら、右手の全ての指が動いたりして…」
なんて真顔で言ったけど、
麻痺腕も足も、常に付き纏っていた痺れはいつの間にか消え去り、
高みに上らされても、雷級の痺れは訪れず、
2度目の奇跡も起きなかった。


